夏がクる。
いきなりですが、
板橋区の美術館に行ってきました。
ここは夏になるとボローニャ絵本展をやるので、
毎年出向いているのですが、
結構前衛的な絵が多くて驚きます。
その辺は入口の写真をアップしようと思ったのですが、
最近になってipodが矢鱈に強制終了するのでアップできませんでした。
8.4のアナウンスが来てから駄目になっているようなので、
素直にアップデートする事とします。
でも、
素直にアップデートできるかどうかですよね。
前はアップデートに何回失敗した事か分かった物ではないですから。
小説のあとがきですが、
実は小説家になろうですと、
既に作品の製作完了となっている関係で追加できませんでした。
別の作品と言う名目で追加する事も出来るのですが、
それはどうかと思いますので、
とりあえずこのブログにて掲載する事とします。
ではその辺は続きで。
板橋区の美術館に行ってきました。
ここは夏になるとボローニャ絵本展をやるので、
毎年出向いているのですが、
結構前衛的な絵が多くて驚きます。
その辺は入口の写真をアップしようと思ったのですが、
最近になってipodが矢鱈に強制終了するのでアップできませんでした。
8.4のアナウンスが来てから駄目になっているようなので、
素直にアップデートする事とします。
でも、
素直にアップデートできるかどうかですよね。
前はアップデートに何回失敗した事か分かった物ではないですから。
小説のあとがきですが、
実は小説家になろうですと、
既に作品の製作完了となっている関係で追加できませんでした。
別の作品と言う名目で追加する事も出来るのですが、
それはどうかと思いますので、
とりあえずこのブログにて掲載する事とします。
ではその辺は続きで。
あとがきに変えて。
あとがきと言いましても、実際にはどう書いていいのかわからず、作品について書こうにもどこまで書いていいのかよくわかりません。
その為、概要とコンセプトを含め、作品制作時に関する事情を中心に書く事とします。
概要。
(構成)
当初はストリートチルドレンを書く予定でした。
子供達が大人に暴力を振るわれていた物の、マスコミをはじめとする外部によって実態が明らかになり、立場が逆転していくと言う、分かりやすく寓話に近い物でした。
しかし、資料を読み漁っていくうちにそのような単純な構造でなく、現在でも解決する手段がないと気づき、暫くの間題材として扱うのは不可能と見なして放置していました。
その後、小説と言う物を書く際に題材として使えるのではと感じるようになり、架空の理由でストリートチルドレンが発生していると設定すれば良いと言う形で纏める方向にしました。
当時は代理母との問題が現実に話題となって居まして、廃棄された子供の行方と言うのも発生するだろうと感じていました。
障害を持つ等不要になった子供を廃棄している側と、それを利用する側、求める側等を書いていく事にしました。
そういった世界の中で変革を求めていく物語としました。
しかし、世界と言う物は人の行動一つで全て変わる物ではありません。
たった一つの出来事で世界が変わる訳がないと言う考えは、前に書いた作品でも決めていましたので、世界を変えようとも何も変わらないと言う結果になるのは必然であると決めていました。
彼らの希望は叶う事は何もないのです。
その代わり、日常は崩れないと言う考えで話を進行していきました。
プロットを纏めていく中、何故彼らの希望が叶わないのか、と言う考えになりました。
彼等の希望が叶えられれば話としてはそれでいいのですが、逆に願いがかなうと言う事は、何かを犠牲にしている物ですから、誰かが犠牲になります。
特に願いが大きければ大きいほど、日常から剥離していれば剥離しているほど、犠牲は大きくなっていきます。
彼らの願いが叶わないのは悲観的なものではなく、日常を求めているからと言う考えに至り、日常から日常へと回帰していくと言う物語の王道をなぞらえる形としました。
この話の起点は「何故人々の願いが(簡単に)叶わないのか」であり、その解答として「犠牲になる側も願いを求めているが故に互いに対立し、衝突して叶わなくなる」となります。
踏み台にされる側も願いがあり、互いに対立して関わっているからこそ足を引っ張り合ってしまうのです。
これはタイトルの意味でもあります。
月(の付く登場人物)が(皆で互いの)光(希望)を遮っている。(故に願いはかなわない)
タイトルの所以はこれになります。
当初のタイトルは「月が2つ転がっている」でして、これは前述する通りバトルロワイヤル形式となっている校正だったのでそうなっていました。
タイトル自体はちょくちょく変えるのでそこまでこだわる気はないのですが。
月が入っている通り、登場人物はほぼ全員が月に関する名前を持っています。
~は、ではなく~が、となっているのも同じ理由で、自分達が不可抗力的に遮っているのではなく、意図的にそうしているのだと言う意味合いでそうなっています。
重大なネタバレと言えそうですが、本題は「何故そうなのか」と言う所にあります。
何故、タイトルの通りになってしまうのかを、話の主題として
話は全員以内と補完できないと書いた通り、群像劇の形式をとっています。
これは、単に自分が話を書くのが下手なのが理由でして、場面転換が特に苦手なのでシナリオを書いていたノウハウを生かす形としました。
1つのイベントが終わり、次に入る繋ぎが苦手なので別のキャラクターにバトンタッチする構成としてごまかすようにしたのです。
この辺は上手くできたのかわかりませんが、元々そういう手法で作品をいくらか書いてきたので、自分なりにごまかしは効いていると思います。
また、当初はバトルロワイヤルの様に2名を残して主要な登場人物は全員死亡すると言う展開でしたが、主要な人物が一人でも死亡すると話の補完が出来なくなってしまう為、全員生き残る形としました。
この名残がイガルクやセレーネの重症、拠点における子供達への殺戮です。
また、この手の問題はどこにでも起きる普遍的な問題と考えた為、可能な限り実在の場所を裂けるようにしました。
固有名詞を可能な限り入れていないのはこれが理由となりますが、それ以上に別の理由があります。
簡潔に読者に説明し、理解を促す為です。
前に書いた作品では、固有名詞や造語を取り入れた為に非常にややこしくなってしまった事や、超常的な物を描写として取り入れたため、説明が出来ず何が何だかわからない状態になってしまい、また説明をするのに流の店舗をそぐ等、この点が問題になりました。
前の作品の反省を踏まえ、SF的な作品の演出である「その手の人」であれば分かる用語などは取り入れず、説明を省く為あえて一般的な言葉で簡潔にまとめる方向にしました。
加えて、SF的なガジェットも全て、タイムマシン等の「超技術」と呼ばれる物ではなく、現在の技術で実験段階の物、もしくは実用前の物を基準としています。
これにより、読者に説明せずとも実際にあるものなのでイメージは容易ですし、大体少し調べれば「そういう物だ」と分かるようになっているはずです。
また、自分でも説明する必要がないので書きやすくなったと感じています。
当初は発展途上国の様に「工場」を作り、そこに母親を集めて妊娠、出産させると言う案となっていましたが、先進国ではそのような事をせず、代理母に個別に契約を取りクライアント側が生活費の全てを補償すると言うシステムとなっているので、このような形に合わせる形となっています。
この辺の調整が大変だったのですが、今となっては話のインパクトとして「工場」の方が良かったのかもしれないと考えてもいます。
更に書きますと、
遺伝病の治療は基本的に、治癒する遺伝子をレトロウィルスと言うベクターを介して注入し、遺伝子を書き換える事で行うのですが、「iPS細胞」が実用化されているので、最初からそれを使えよと言う突込みが入るだろうなと言うのもありました。
その辺は調べていくうち、元に戻す際に因子を注入する必要があると分かり、そこをついて戻す因子と遺伝子が干渉するので問題で出来ないと適当な言い訳を付けて解決しましたが、それでも無理があるなと感じています。
現実的に可能な物を不可能にするのは本当に大変です。
コンセプトの一つとしてこの手の作品に必ず出て来るであろう「レイプ」や「薬物」は一切入れないと言うのがありました。
その辺は書きたくなると言う誘惑がありますが、書いてしまうとそこばかり読者は見てしまうので、話の全体を見て欲しいと言う作り手の側からして、安易に使いたくないと言う理由から書くのをやめました。
それを匂わせる点はありますが、それはやむなく入れただけで全て未遂、もしくは既に処理が終わっているとみなしています。
行為そのものについて直接的な物は一切書かなかったはずです。
出来る限り直接的な殺害描写も省きたかったのですが、話の構成や作風から仕方なかろうと思い入れました。
この辺に屈してしまった自分は情けないです。
一度に作品を発表するのではなく、1章毎に発表する形式を取っていたので、用語の統一が出来ずつたないものとなってしまいました。
推敲や校正にはガイドラインを設ける等、きちんと調整したつもりでしたが詰めが甘く、課題の残る作品となりました。
キャラクター
ラノベと言えばこれと言えますが、実際には薄味、かつラノベの読者層であるミドルからハイティーンがいなかった事が悔やまれました。
キャラクターは配置上、大人が軸になるのでやむを得ないのであるのですが、それでもご都合でいいから入れたかった
なと今になって思います。
また、恋愛関係についてほぼ書かれていない、特に性的なものについて否定的に書いているのは自分自身そういった経験がなく、書いても所詮童貞の妄想になってしまうであろうと言う理由からです。
自分が一切恋愛ものを書かず、性的な物を否定するのはそういった理由です。
その点を解決する方法として、すでに終わっている物として書く事にしました。
B級映画感を出したかったのもあります。
大抵のB級映画の主人公は離婚協議中な人が多いですからね。
また、キャラクター全員は目的を全て達成出来ない事と、善人や被虐者にしないようにしました。
これはタイトルの通りなのですが、同時に誰かが報われると、逆に誰かが損をしてしまう為です。
そうなると気の毒だなと感じてしまったので、あえて報われないようにし、またキャラクターを可哀想と思わせないよにした事や、キャラクターをオリバー=ツイストの様な単純に運命に巻き込まれていくだけにせず、積極的に運命に立ち入っていくポジティブな冒険者にしたかったのであえて突っ込んでいくキャラクターにしました。
セレーネがバスジャックをするのはそれが理由で、あれがなければ彼女は単純に「人の行動に翻弄される可哀想なだけ」のキャラクターになっていましたから。
逆に絶対の悪人にしない、と言うのもありました。
善人にも悪人にもなれない、と言うキャラクターは人間臭くて非常に好きなので、皆そうしてしまえな感がありありです。
月に由来する名前と言う事で、それぞれの由来諸々を含めたキャラクターについてざっと書いておきます。
セレーネ=メイル
名前の所以はギリシア神話の月の女神「セレーネ」で、名字はラテン語の「海」です。
二つ合わせて月の海です。
その辺は当初、キャラクター名は月の海からとる方針を取っていたので統合されたキャラクターとしてそうしました。
運命に翻弄されていくキャラクターにする方針を取らなかったのでバスジャックさせる方針としましたが、それでも無理矢理感が強く「被害者」キャラクターになってしまった感があります。
個人的に世間ずれしているけれど、芯はしっかりしていて銃火器の訓練もしている少年漫画に出て来る少女主人公系にしたかったのですが、今一つでした。
もっと個性が欲しいです。
元ネタの類は特になく、少女だとこんな感じかと言った所です。
彼女の手がどうなったのかについて明言は避ける方針としましたが、当初は両手を失う事になっていました。
これは彼女がバスジャックと言う悪を犯した報いとして、卵巣が亡くなるか手がなくなるかのどちらかを選択していましたが、最後まで決まらなかったのもあります。
それでも死人扱いになったのですから、それだけでも相当な報いになるのかと考えています。
少しは萌え要素を入れたかったですね。
構想ではシンとダイアナの養子になり、ヒナと再会して二人で探偵業を開始してガルドの行方を追っていく……と言う物があったのですが、物語はここで終わりなのでここまでです。
ガルド=メイル
名前の所以は日本神話の月の神「月詠」です。月=がち=ガ、詠=リード=ルドとなります。
当初はダメな親父で終わる予定でしたが、悪として書くつもりはないのでハッカーと言ういかにもな設定を与え、その上で娘の身を重んじる父親像と言う形にしました。
当初から契約を反故にすると言っているので、セレーネについて利用していると言うのが建前なのはわかっている人にはわかっていたかと思います。
企業の幹部として、上から目線で物を考えると言う点が足りなかったような気がします。
多少ステレオタイプでもその辺を入れておけば、他のキャラクターと差別化できたのだろうと思います。
大筋では造形はうまく行っていたはずだと思いますが、詰めが甘いです。
シン=ロレント
名前の所以はバビロニアの月の神、ナンナで別名、と言うより別読みでシンです。
ロレントは生物学者のコンラッド=ローレンツからです。
B級じみた軽口をやたらに連発する、いかにもその手の映画に出てきそうな探偵としました。
離婚協議中なのも、そういった理由からです。
元家族としての重みや同情をガルドに与えたいのもあったのですが。
探偵と言う割には探偵していない、ハードボイルドな割にはアクションしていない半端な人としか印象がないです。
トレンチコートも着せたかったのですが、流石に場所が特定されるのでやめました。
服装一つも重要です。
当初科学者で、企業を受けたが落ちたと言うのは後付で、ダイアナと企業と関連を付けるのと、それなりの知識を持つ根拠として入れた物です。
没案ではセレーネと再会したヒナの養父になり、探偵業を二人に継がせてガルドの行方を追っていく、と言う物があったのですが、物語はここで終わりなので書く事はないです。
ダイアナ=ロレント
名前の所以はギリシア神話の月の神、ディアナです。
セレーネと同一神と見なす事があるので、何かしら関係があると思いきや、何も関係なく終わりました。
40代と言う設定があったのですが、どうにも作中の言動が30代にしか見えません。
実際にアラフォーと言う物を見てみないと駄目なのかもです。
いかにもツンデレさんで幼い所が見られますが、この辺も所以かもです。
構成上やむを得ないとはいえ、仕事している感がなかったのも残念でした。
話的にもキャラクター的にも残念な美人さんでした。
実は没案として、シンと共にセレーネを亡くなった子供にすり替えて引き取り、家族として寄りを戻して暮らすと言うのもありましたが、目的は叶わないと言う方針によりなくなりました。
因みに別居になった理由は「警察を辞めて夫の収入がカスになったので、呆れ果てた」です。
いつの世も、妻の方が収入が高いと夫婦は苦労します。
アリア=ロレント
名前はケルト神話の月の神、アリアンロッドからです。
当初は名前がなかったのですが、急きょ入れました。
最初はルナだったのですが、父親がシンで娘がルナだと色々な意味で危険なので変えました。
特にガンダム好きなら一発で分かると思います。
分からない人は調べてみましょう、中の人の関係も含めて。
作中で既に故人となっているので、名前だけですので何とも言えません。
シンが子育てに失敗したと言っているのと、ヒナのいるような場所に出向いていたのできっとお転婆だったのでしょう、多分。
イガルク=アニンガン
名前の所以は北米神話の月の神、イガルクとアニンガンから。
どちらも同一神です。
珍しくまともな警察官と思いきやと言う奴ですが、実は悪事は後付です。
目を潰されるのは、当初は殺されることになっていた名残でして、目を潰されるには相当の悪事を働いたのだろうと言う理由から、あのようにしました。
設定では根拠なく殺さず、悪事を働いた奴だけを裁く人でしたが、裁くどころか裁かれた感がありありです。
ダイアナについで勿体ないキャラクターだったかと思います。
不能と言う設定は当初からあったので、後付は悪事だけです。
マリナ=アニンガン
名前の所以は北米神話のイガルクの妻、マリナから。
妻と言ってもこの手の神話によくある、勝手に男が惚れて犯したと言うあれです。
夫婦して悪事を企てていた人です。
その辺は当初からありまして、年齢はかなり若い人で所謂歳の差婚です。
作中で既に故人となっていましたが、よほどの美人なんでしょう、きっと。
若いが故に性欲を持て余したのでしょうか?
なれそめは公務員が立場的に安定しているから。
その辺は我が国と同じですが、シンを見ているとどうにも安定していると思えません。
テクシス=アマライト
名前の所以はメソアメリカの月の神、テクシスカトルと月にて発見された物質のアーマライトから。
実は国の要請により企業が作った遺伝子的に優れたオリンピック強化選手だったのですが、本来晩年に発症するが故に無視していた夜盲症の因子が早い段階で発動、発症後即座にスポーツ界から追い出されて彷徨い、街に住んでいくうち居座り心地よくなった所で治安を嘆き、子供達を排除する為に自警団入りしまして、駆逐能力を買われて警察入りしたと言う、凄まじい裏設定を誇るキャラクターです。
もっと書きますと、別の国に要請されて作られた人で、別の国に選手として育成していましたがしたが夜盲症の発症により国に追放され、二重国籍であった為(出生が企業のある国の為)この国に戻されたと言う没設定が存在します。
どちらにせよ凄い設定です。
これだけで一本作品が書ける位でして、これで歪まない方がおかしいレベルです。
彼について、過去をほのめかす描写がいくつかあるのはこれです。
夜盲症と言う設定は、序章で彼が直接調査しなかったのと、後半で暗闇が見えなかった理由となります。
この辺は書くべきでした。
彼の野心は街を汚している自警団側と子供達を衝突させ、両方潰す事で自分の住んでいる街を良くしたいと言う物でしたが、ここに気づいた人は多分いないかと思います。
彼なりに、町を良くしようと考えていたのですがね。
個人的に作中一番好きなキャラクターでもあります。
若さ特有の考えなさと無鉄砲さが。
当初の名前はソボルワとなっていまして、これは韓国神話に登場する、月を射る男ソビョルワンからとっていたのですが、これ以上アジア系の神話からキャラクター名を取るのはどうかと言う事で変更しました。
プロフィール諸々の元ネタは映画の「ガダカ」からです。
映画は傑作なのでSF好きであれば見るべしです。
最後のスーツはどうかと思いますが。
ルーナ
当初出る事のなかったキャラクターその1。
名前の所以はギリシア神話の月の神、ルナから。
月に代わってお仕置きする人の飼い猫ではなく、人間です。
只のモブなので名前なしでもよかったのですが、必要だったので入れました。
言うまでもなくアリアの没名です。
イ=コウガ
名前の所以は中国神話の月の神、嫦娥(コウガ)。
マフィアの現場監督です。
こいつも勿体ないと思うのですが、当初から根回し役なので出番は少ないだろうと見込んでいたので薄めにしています。
関西弁をしゃべらせればもっとぽかったと思えるのですが、自分自身関西弁が理解できないので、標準語で纏めました。
作中でも突っ込んでいましたが、間違ってもロリコンではないです。
当初は様々な組織に通じていると言う設定があったのですが、これを書くと謎解きも糞もなくなるので削除しました。
こいつが喋れば全て終わってしまいますからね。
モデルが当初、中国系マフィアだったので、チャイナ服でも着せてやろうかと思ったのですが、ここでコスプレはどうかと思ったのと、国籍から特定されるのでやめました。
と言っても、名前の響きからして国籍が一発で分かるのですが。
マーニ
当初、出る事すらなかったキャラクターその2。
名前の所以は北欧神話に出て来る月の神、マーニから。
代理母が工場ではなく、個人契約と言う設定に変わったために出したキャラクターでモデルも何もないです。
車いすに乗っているのも妊婦で動いていると大変だから、きっとそうなのだろうと言うイメージです。
そんな程度で急きょ思いついたキャラクターなので失礼承知で書きますと思い入れも何もないのですが、そういうキャラクターに限って、ブレなく書けてしまうので複雑な心境ではあります。
そんな理由から、メイドの名前はないです。
ヒナ
名前の所以はポリネシア神話の月の神、ヒナから。
勘違いされやすいですが、日本語の雛ではないです。
元のキャラクターはギルティギアのキャラクターの「ラムレザル=ヴァレンタイン」です。
この辺は調べれは分かります。
無垢で悪意はないけど、やっている事がはた目から見て悪と言う奴で、口調もそれっぽい感じになっています。
容姿も似た感じでイメージしていましたが、当初のイメージが決まっていたのでずれがあって大変でした。
構想ではその後、企業から実験名目で薬を提供される形で死なずに成長し、同じく成長したセレーネと再会して共にシンの元に居座り、セレーネの相棒として探偵稼業を立ち上げるものの、しょうもない依頼ばかりでグダグダな日々を過ごす……と言う非常にライトな物でしたが、書く気はないでしょう。
ここで作品は終わっていますから。
上記から分かる通り死なない事になっていますが、大人にならずに死んでも良いとも考えています。
残酷ですが、続きを書く事はないので。
直接的に書くのをやめていましたが、ヒナの病は描写から分かる通り「ダウン症」です。
この辺は差別的と言われそうなのでここでも書くのをやめようと思ったのですが、全て書かないと駄目だろうと思い書いておくことにしました。
元々は男で、ショットガンを持っていましたが子供の扱う火器ではないのと、男と女では恋愛ものになってしまうだろうと言う理由から少女にしました。
また、物を知らないだろうと言う意味でセレーネと対照的にしています。
ムガイ
当初、出る事すらなかったキャラクターその3。
名前の所以はマサイ族の月の神、ンガイから。
言うまでもなく、B級アクション映画によく出て来る、警察の主人公に怒鳴り散らす黒人警官のつもりで書いていました。
出番はないですが、その分もっと言い回しを濃くしたかったです。
そう考えますと、自分はつくづくB級映画が好きなんだなと思ってしまいます。
こう考えますと、何気にムーンはないです。
没の名前としてアルテミスがあったのですが、どちらも非常に使いにくい名前なので使わないまま終わりです。
以外に月に由来する名前は多かったのですが、正直に書きますとこれ以上調べても出てこなかった物がいくらかありますので、もうこれ以上キャラクターを出したくないのが本音でした。
名前はネットが3割、神名辞典が7割で調べています。
また、元になっているキャラクターが意外に少ないなと感じました。
全部元があるのかと思ったのですが、書き出してみると少ないです。
また、繰り返し書きますがキャラクターはすべて善人でも悪人にも書かないようにしました。
あくまで人間であると言う部分を何とか前面に出したかったものですから。
その辺は難しい所です。
もっと書く事があったと思ったのですが、大体こんな所です。
世界観。
世界観は固有名詞をできる限り省いています。
これは「どこの国にも起こりうる出来事」と言う意味合いがありまして、固有名詞を入れると場所が特定されるので、出来る限り省きました。
その為、固有名詞を省いて説明をするのが本当に大変でした。
モデルは一応ありまして、街はドレスデンで地下都市はロシアの地下都市構想の図だった気がします。
資料も図入りの物を何点か持っているのですが、うろ覚えですね。
地形は南米の都市、サンパウロです。
人物関係や勢力図もブラジルを元にしていまして、ストリートチルドレンをめぐる勢力図も大体ここを元にしています。
また、専門用語も出来る限り使わないようにしていたのですが、これは前述の通り以前の作品で超常的な物を扱う際、非常にややこしい説明や描写を書かなければならず、読者に面倒をかける事態になった反動です。
この部分はあくまで舞台装置として出来るだけ簡素にし、話の流れは普通の現代劇と同じにする事にした為、そうなったのです。
自分としてはこれでいいのですが、SF的な風味が薄れたのでこの辺は反省点ともいえそうです。
当初ですとSFらしさを出す為巨大重機やロボットを出す予定でしたが、そんな物を出さなくても成立するSFがあるので、態々出す必要もないだろうと言う事で没としました。
因みに、作中に登場する小型の簡易DNA鑑定機やホログラフィの立体投影装置は試作品ながら実在していまして、自分の目で実物を確認しています。
実際には現実のホログラフィと同じく、鏡面反射で類似的に立体投影する程度の物ですが。
企業の規模、地下都市の詳細など、ディテールは特に考えていなかったのでこの辺は仇になったと思います。
もっと練っていればと思うのですが、作品の構成に関係ない設定は全て切り捨てる方針を取っていたのが裏に出てしまったようです。
片鱗でも残っていればよかったのですが。
最後に。
メタ的なコンセプトとして、250~350枚程度の原稿用紙に収まるよう、計算していました。
このアイディアで書いたのも、数あるアイディアの中からこの枚数でまとまる作品と言う理由からです。
他は極端に長いか、短いかになってしまいますから。
ではなぜ、この枚数なのかと言いますと、小説の新人賞の送る長編の規定がこれくらいだからです。
当時はこんな程度の枚数で収まるのか?と悩み、容量を計算しながら設定を切り捨てる形でプロットをまとめたのを思い出します。
人によっては凄く多い枚数なのですが、書き慣れると大したものではないどころか、頭の中にまとまっている物を吐き出すには少なく感じてしまいます。
アイディアをどう詰め込むかと言う点も至らぬところがあり、また作風もシナリオを描き続けた関係からモノローグを避け、写実的な物だけを書いたために難解になったと思います。
自分の中ではシンプルで普遍的、10年経っても読めるようにしたのですが、やはり表現とキャラクターの行動、個性ではまだ達せずな所があるので未だ途上です。
連載形式を取ったため、語呂や書き癖が統一できず、本当に校正がライブ感覚になってしまいました。
近いうちに出す電子文庫状態版では、ここを直す作業がメインとなると思います。
拙い部分を踏まえ、この項を含めて最後まで読んでくださった全ての方々に感謝を致します。
あとがきと言いましても、実際にはどう書いていいのかわからず、作品について書こうにもどこまで書いていいのかよくわかりません。
その為、概要とコンセプトを含め、作品制作時に関する事情を中心に書く事とします。
概要。
(構成)
当初はストリートチルドレンを書く予定でした。
子供達が大人に暴力を振るわれていた物の、マスコミをはじめとする外部によって実態が明らかになり、立場が逆転していくと言う、分かりやすく寓話に近い物でした。
しかし、資料を読み漁っていくうちにそのような単純な構造でなく、現在でも解決する手段がないと気づき、暫くの間題材として扱うのは不可能と見なして放置していました。
その後、小説と言う物を書く際に題材として使えるのではと感じるようになり、架空の理由でストリートチルドレンが発生していると設定すれば良いと言う形で纏める方向にしました。
当時は代理母との問題が現実に話題となって居まして、廃棄された子供の行方と言うのも発生するだろうと感じていました。
障害を持つ等不要になった子供を廃棄している側と、それを利用する側、求める側等を書いていく事にしました。
そういった世界の中で変革を求めていく物語としました。
しかし、世界と言う物は人の行動一つで全て変わる物ではありません。
たった一つの出来事で世界が変わる訳がないと言う考えは、前に書いた作品でも決めていましたので、世界を変えようとも何も変わらないと言う結果になるのは必然であると決めていました。
彼らの希望は叶う事は何もないのです。
その代わり、日常は崩れないと言う考えで話を進行していきました。
プロットを纏めていく中、何故彼らの希望が叶わないのか、と言う考えになりました。
彼等の希望が叶えられれば話としてはそれでいいのですが、逆に願いがかなうと言う事は、何かを犠牲にしている物ですから、誰かが犠牲になります。
特に願いが大きければ大きいほど、日常から剥離していれば剥離しているほど、犠牲は大きくなっていきます。
彼らの願いが叶わないのは悲観的なものではなく、日常を求めているからと言う考えに至り、日常から日常へと回帰していくと言う物語の王道をなぞらえる形としました。
この話の起点は「何故人々の願いが(簡単に)叶わないのか」であり、その解答として「犠牲になる側も願いを求めているが故に互いに対立し、衝突して叶わなくなる」となります。
踏み台にされる側も願いがあり、互いに対立して関わっているからこそ足を引っ張り合ってしまうのです。
これはタイトルの意味でもあります。
月(の付く登場人物)が(皆で互いの)光(希望)を遮っている。(故に願いはかなわない)
タイトルの所以はこれになります。
当初のタイトルは「月が2つ転がっている」でして、これは前述する通りバトルロワイヤル形式となっている校正だったのでそうなっていました。
タイトル自体はちょくちょく変えるのでそこまでこだわる気はないのですが。
月が入っている通り、登場人物はほぼ全員が月に関する名前を持っています。
~は、ではなく~が、となっているのも同じ理由で、自分達が不可抗力的に遮っているのではなく、意図的にそうしているのだと言う意味合いでそうなっています。
重大なネタバレと言えそうですが、本題は「何故そうなのか」と言う所にあります。
何故、タイトルの通りになってしまうのかを、話の主題として
話は全員以内と補完できないと書いた通り、群像劇の形式をとっています。
これは、単に自分が話を書くのが下手なのが理由でして、場面転換が特に苦手なのでシナリオを書いていたノウハウを生かす形としました。
1つのイベントが終わり、次に入る繋ぎが苦手なので別のキャラクターにバトンタッチする構成としてごまかすようにしたのです。
この辺は上手くできたのかわかりませんが、元々そういう手法で作品をいくらか書いてきたので、自分なりにごまかしは効いていると思います。
また、当初はバトルロワイヤルの様に2名を残して主要な登場人物は全員死亡すると言う展開でしたが、主要な人物が一人でも死亡すると話の補完が出来なくなってしまう為、全員生き残る形としました。
この名残がイガルクやセレーネの重症、拠点における子供達への殺戮です。
また、この手の問題はどこにでも起きる普遍的な問題と考えた為、可能な限り実在の場所を裂けるようにしました。
固有名詞を可能な限り入れていないのはこれが理由となりますが、それ以上に別の理由があります。
簡潔に読者に説明し、理解を促す為です。
前に書いた作品では、固有名詞や造語を取り入れた為に非常にややこしくなってしまった事や、超常的な物を描写として取り入れたため、説明が出来ず何が何だかわからない状態になってしまい、また説明をするのに流の店舗をそぐ等、この点が問題になりました。
前の作品の反省を踏まえ、SF的な作品の演出である「その手の人」であれば分かる用語などは取り入れず、説明を省く為あえて一般的な言葉で簡潔にまとめる方向にしました。
加えて、SF的なガジェットも全て、タイムマシン等の「超技術」と呼ばれる物ではなく、現在の技術で実験段階の物、もしくは実用前の物を基準としています。
これにより、読者に説明せずとも実際にあるものなのでイメージは容易ですし、大体少し調べれば「そういう物だ」と分かるようになっているはずです。
また、自分でも説明する必要がないので書きやすくなったと感じています。
当初は発展途上国の様に「工場」を作り、そこに母親を集めて妊娠、出産させると言う案となっていましたが、先進国ではそのような事をせず、代理母に個別に契約を取りクライアント側が生活費の全てを補償すると言うシステムとなっているので、このような形に合わせる形となっています。
この辺の調整が大変だったのですが、今となっては話のインパクトとして「工場」の方が良かったのかもしれないと考えてもいます。
更に書きますと、
遺伝病の治療は基本的に、治癒する遺伝子をレトロウィルスと言うベクターを介して注入し、遺伝子を書き換える事で行うのですが、「iPS細胞」が実用化されているので、最初からそれを使えよと言う突込みが入るだろうなと言うのもありました。
その辺は調べていくうち、元に戻す際に因子を注入する必要があると分かり、そこをついて戻す因子と遺伝子が干渉するので問題で出来ないと適当な言い訳を付けて解決しましたが、それでも無理があるなと感じています。
現実的に可能な物を不可能にするのは本当に大変です。
コンセプトの一つとしてこの手の作品に必ず出て来るであろう「レイプ」や「薬物」は一切入れないと言うのがありました。
その辺は書きたくなると言う誘惑がありますが、書いてしまうとそこばかり読者は見てしまうので、話の全体を見て欲しいと言う作り手の側からして、安易に使いたくないと言う理由から書くのをやめました。
それを匂わせる点はありますが、それはやむなく入れただけで全て未遂、もしくは既に処理が終わっているとみなしています。
行為そのものについて直接的な物は一切書かなかったはずです。
出来る限り直接的な殺害描写も省きたかったのですが、話の構成や作風から仕方なかろうと思い入れました。
この辺に屈してしまった自分は情けないです。
一度に作品を発表するのではなく、1章毎に発表する形式を取っていたので、用語の統一が出来ずつたないものとなってしまいました。
推敲や校正にはガイドラインを設ける等、きちんと調整したつもりでしたが詰めが甘く、課題の残る作品となりました。
キャラクター
ラノベと言えばこれと言えますが、実際には薄味、かつラノベの読者層であるミドルからハイティーンがいなかった事が悔やまれました。
キャラクターは配置上、大人が軸になるのでやむを得ないのであるのですが、それでもご都合でいいから入れたかった
なと今になって思います。
また、恋愛関係についてほぼ書かれていない、特に性的なものについて否定的に書いているのは自分自身そういった経験がなく、書いても所詮童貞の妄想になってしまうであろうと言う理由からです。
自分が一切恋愛ものを書かず、性的な物を否定するのはそういった理由です。
その点を解決する方法として、すでに終わっている物として書く事にしました。
B級映画感を出したかったのもあります。
大抵のB級映画の主人公は離婚協議中な人が多いですからね。
また、キャラクター全員は目的を全て達成出来ない事と、善人や被虐者にしないようにしました。
これはタイトルの通りなのですが、同時に誰かが報われると、逆に誰かが損をしてしまう為です。
そうなると気の毒だなと感じてしまったので、あえて報われないようにし、またキャラクターを可哀想と思わせないよにした事や、キャラクターをオリバー=ツイストの様な単純に運命に巻き込まれていくだけにせず、積極的に運命に立ち入っていくポジティブな冒険者にしたかったのであえて突っ込んでいくキャラクターにしました。
セレーネがバスジャックをするのはそれが理由で、あれがなければ彼女は単純に「人の行動に翻弄される可哀想なだけ」のキャラクターになっていましたから。
逆に絶対の悪人にしない、と言うのもありました。
善人にも悪人にもなれない、と言うキャラクターは人間臭くて非常に好きなので、皆そうしてしまえな感がありありです。
月に由来する名前と言う事で、それぞれの由来諸々を含めたキャラクターについてざっと書いておきます。
セレーネ=メイル
名前の所以はギリシア神話の月の女神「セレーネ」で、名字はラテン語の「海」です。
二つ合わせて月の海です。
その辺は当初、キャラクター名は月の海からとる方針を取っていたので統合されたキャラクターとしてそうしました。
運命に翻弄されていくキャラクターにする方針を取らなかったのでバスジャックさせる方針としましたが、それでも無理矢理感が強く「被害者」キャラクターになってしまった感があります。
個人的に世間ずれしているけれど、芯はしっかりしていて銃火器の訓練もしている少年漫画に出て来る少女主人公系にしたかったのですが、今一つでした。
もっと個性が欲しいです。
元ネタの類は特になく、少女だとこんな感じかと言った所です。
彼女の手がどうなったのかについて明言は避ける方針としましたが、当初は両手を失う事になっていました。
これは彼女がバスジャックと言う悪を犯した報いとして、卵巣が亡くなるか手がなくなるかのどちらかを選択していましたが、最後まで決まらなかったのもあります。
それでも死人扱いになったのですから、それだけでも相当な報いになるのかと考えています。
少しは萌え要素を入れたかったですね。
構想ではシンとダイアナの養子になり、ヒナと再会して二人で探偵業を開始してガルドの行方を追っていく……と言う物があったのですが、物語はここで終わりなのでここまでです。
ガルド=メイル
名前の所以は日本神話の月の神「月詠」です。月=がち=ガ、詠=リード=ルドとなります。
当初はダメな親父で終わる予定でしたが、悪として書くつもりはないのでハッカーと言ういかにもな設定を与え、その上で娘の身を重んじる父親像と言う形にしました。
当初から契約を反故にすると言っているので、セレーネについて利用していると言うのが建前なのはわかっている人にはわかっていたかと思います。
企業の幹部として、上から目線で物を考えると言う点が足りなかったような気がします。
多少ステレオタイプでもその辺を入れておけば、他のキャラクターと差別化できたのだろうと思います。
大筋では造形はうまく行っていたはずだと思いますが、詰めが甘いです。
シン=ロレント
名前の所以はバビロニアの月の神、ナンナで別名、と言うより別読みでシンです。
ロレントは生物学者のコンラッド=ローレンツからです。
B級じみた軽口をやたらに連発する、いかにもその手の映画に出てきそうな探偵としました。
離婚協議中なのも、そういった理由からです。
元家族としての重みや同情をガルドに与えたいのもあったのですが。
探偵と言う割には探偵していない、ハードボイルドな割にはアクションしていない半端な人としか印象がないです。
トレンチコートも着せたかったのですが、流石に場所が特定されるのでやめました。
服装一つも重要です。
当初科学者で、企業を受けたが落ちたと言うのは後付で、ダイアナと企業と関連を付けるのと、それなりの知識を持つ根拠として入れた物です。
没案ではセレーネと再会したヒナの養父になり、探偵業を二人に継がせてガルドの行方を追っていく、と言う物があったのですが、物語はここで終わりなので書く事はないです。
ダイアナ=ロレント
名前の所以はギリシア神話の月の神、ディアナです。
セレーネと同一神と見なす事があるので、何かしら関係があると思いきや、何も関係なく終わりました。
40代と言う設定があったのですが、どうにも作中の言動が30代にしか見えません。
実際にアラフォーと言う物を見てみないと駄目なのかもです。
いかにもツンデレさんで幼い所が見られますが、この辺も所以かもです。
構成上やむを得ないとはいえ、仕事している感がなかったのも残念でした。
話的にもキャラクター的にも残念な美人さんでした。
実は没案として、シンと共にセレーネを亡くなった子供にすり替えて引き取り、家族として寄りを戻して暮らすと言うのもありましたが、目的は叶わないと言う方針によりなくなりました。
因みに別居になった理由は「警察を辞めて夫の収入がカスになったので、呆れ果てた」です。
いつの世も、妻の方が収入が高いと夫婦は苦労します。
アリア=ロレント
名前はケルト神話の月の神、アリアンロッドからです。
当初は名前がなかったのですが、急きょ入れました。
最初はルナだったのですが、父親がシンで娘がルナだと色々な意味で危険なので変えました。
特にガンダム好きなら一発で分かると思います。
分からない人は調べてみましょう、中の人の関係も含めて。
作中で既に故人となっているので、名前だけですので何とも言えません。
シンが子育てに失敗したと言っているのと、ヒナのいるような場所に出向いていたのできっとお転婆だったのでしょう、多分。
イガルク=アニンガン
名前の所以は北米神話の月の神、イガルクとアニンガンから。
どちらも同一神です。
珍しくまともな警察官と思いきやと言う奴ですが、実は悪事は後付です。
目を潰されるのは、当初は殺されることになっていた名残でして、目を潰されるには相当の悪事を働いたのだろうと言う理由から、あのようにしました。
設定では根拠なく殺さず、悪事を働いた奴だけを裁く人でしたが、裁くどころか裁かれた感がありありです。
ダイアナについで勿体ないキャラクターだったかと思います。
不能と言う設定は当初からあったので、後付は悪事だけです。
マリナ=アニンガン
名前の所以は北米神話のイガルクの妻、マリナから。
妻と言ってもこの手の神話によくある、勝手に男が惚れて犯したと言うあれです。
夫婦して悪事を企てていた人です。
その辺は当初からありまして、年齢はかなり若い人で所謂歳の差婚です。
作中で既に故人となっていましたが、よほどの美人なんでしょう、きっと。
若いが故に性欲を持て余したのでしょうか?
なれそめは公務員が立場的に安定しているから。
その辺は我が国と同じですが、シンを見ているとどうにも安定していると思えません。
テクシス=アマライト
名前の所以はメソアメリカの月の神、テクシスカトルと月にて発見された物質のアーマライトから。
実は国の要請により企業が作った遺伝子的に優れたオリンピック強化選手だったのですが、本来晩年に発症するが故に無視していた夜盲症の因子が早い段階で発動、発症後即座にスポーツ界から追い出されて彷徨い、街に住んでいくうち居座り心地よくなった所で治安を嘆き、子供達を排除する為に自警団入りしまして、駆逐能力を買われて警察入りしたと言う、凄まじい裏設定を誇るキャラクターです。
もっと書きますと、別の国に要請されて作られた人で、別の国に選手として育成していましたがしたが夜盲症の発症により国に追放され、二重国籍であった為(出生が企業のある国の為)この国に戻されたと言う没設定が存在します。
どちらにせよ凄い設定です。
これだけで一本作品が書ける位でして、これで歪まない方がおかしいレベルです。
彼について、過去をほのめかす描写がいくつかあるのはこれです。
夜盲症と言う設定は、序章で彼が直接調査しなかったのと、後半で暗闇が見えなかった理由となります。
この辺は書くべきでした。
彼の野心は街を汚している自警団側と子供達を衝突させ、両方潰す事で自分の住んでいる街を良くしたいと言う物でしたが、ここに気づいた人は多分いないかと思います。
彼なりに、町を良くしようと考えていたのですがね。
個人的に作中一番好きなキャラクターでもあります。
若さ特有の考えなさと無鉄砲さが。
当初の名前はソボルワとなっていまして、これは韓国神話に登場する、月を射る男ソビョルワンからとっていたのですが、これ以上アジア系の神話からキャラクター名を取るのはどうかと言う事で変更しました。
プロフィール諸々の元ネタは映画の「ガダカ」からです。
映画は傑作なのでSF好きであれば見るべしです。
最後のスーツはどうかと思いますが。
ルーナ
当初出る事のなかったキャラクターその1。
名前の所以はギリシア神話の月の神、ルナから。
月に代わってお仕置きする人の飼い猫ではなく、人間です。
只のモブなので名前なしでもよかったのですが、必要だったので入れました。
言うまでもなくアリアの没名です。
イ=コウガ
名前の所以は中国神話の月の神、嫦娥(コウガ)。
マフィアの現場監督です。
こいつも勿体ないと思うのですが、当初から根回し役なので出番は少ないだろうと見込んでいたので薄めにしています。
関西弁をしゃべらせればもっとぽかったと思えるのですが、自分自身関西弁が理解できないので、標準語で纏めました。
作中でも突っ込んでいましたが、間違ってもロリコンではないです。
当初は様々な組織に通じていると言う設定があったのですが、これを書くと謎解きも糞もなくなるので削除しました。
こいつが喋れば全て終わってしまいますからね。
モデルが当初、中国系マフィアだったので、チャイナ服でも着せてやろうかと思ったのですが、ここでコスプレはどうかと思ったのと、国籍から特定されるのでやめました。
と言っても、名前の響きからして国籍が一発で分かるのですが。
マーニ
当初、出る事すらなかったキャラクターその2。
名前の所以は北欧神話に出て来る月の神、マーニから。
代理母が工場ではなく、個人契約と言う設定に変わったために出したキャラクターでモデルも何もないです。
車いすに乗っているのも妊婦で動いていると大変だから、きっとそうなのだろうと言うイメージです。
そんな程度で急きょ思いついたキャラクターなので失礼承知で書きますと思い入れも何もないのですが、そういうキャラクターに限って、ブレなく書けてしまうので複雑な心境ではあります。
そんな理由から、メイドの名前はないです。
ヒナ
名前の所以はポリネシア神話の月の神、ヒナから。
勘違いされやすいですが、日本語の雛ではないです。
元のキャラクターはギルティギアのキャラクターの「ラムレザル=ヴァレンタイン」です。
この辺は調べれは分かります。
無垢で悪意はないけど、やっている事がはた目から見て悪と言う奴で、口調もそれっぽい感じになっています。
容姿も似た感じでイメージしていましたが、当初のイメージが決まっていたのでずれがあって大変でした。
構想ではその後、企業から実験名目で薬を提供される形で死なずに成長し、同じく成長したセレーネと再会して共にシンの元に居座り、セレーネの相棒として探偵稼業を立ち上げるものの、しょうもない依頼ばかりでグダグダな日々を過ごす……と言う非常にライトな物でしたが、書く気はないでしょう。
ここで作品は終わっていますから。
上記から分かる通り死なない事になっていますが、大人にならずに死んでも良いとも考えています。
残酷ですが、続きを書く事はないので。
直接的に書くのをやめていましたが、ヒナの病は描写から分かる通り「ダウン症」です。
この辺は差別的と言われそうなのでここでも書くのをやめようと思ったのですが、全て書かないと駄目だろうと思い書いておくことにしました。
元々は男で、ショットガンを持っていましたが子供の扱う火器ではないのと、男と女では恋愛ものになってしまうだろうと言う理由から少女にしました。
また、物を知らないだろうと言う意味でセレーネと対照的にしています。
ムガイ
当初、出る事すらなかったキャラクターその3。
名前の所以はマサイ族の月の神、ンガイから。
言うまでもなく、B級アクション映画によく出て来る、警察の主人公に怒鳴り散らす黒人警官のつもりで書いていました。
出番はないですが、その分もっと言い回しを濃くしたかったです。
そう考えますと、自分はつくづくB級映画が好きなんだなと思ってしまいます。
こう考えますと、何気にムーンはないです。
没の名前としてアルテミスがあったのですが、どちらも非常に使いにくい名前なので使わないまま終わりです。
以外に月に由来する名前は多かったのですが、正直に書きますとこれ以上調べても出てこなかった物がいくらかありますので、もうこれ以上キャラクターを出したくないのが本音でした。
名前はネットが3割、神名辞典が7割で調べています。
また、元になっているキャラクターが意外に少ないなと感じました。
全部元があるのかと思ったのですが、書き出してみると少ないです。
また、繰り返し書きますがキャラクターはすべて善人でも悪人にも書かないようにしました。
あくまで人間であると言う部分を何とか前面に出したかったものですから。
その辺は難しい所です。
もっと書く事があったと思ったのですが、大体こんな所です。
世界観。
世界観は固有名詞をできる限り省いています。
これは「どこの国にも起こりうる出来事」と言う意味合いがありまして、固有名詞を入れると場所が特定されるので、出来る限り省きました。
その為、固有名詞を省いて説明をするのが本当に大変でした。
モデルは一応ありまして、街はドレスデンで地下都市はロシアの地下都市構想の図だった気がします。
資料も図入りの物を何点か持っているのですが、うろ覚えですね。
地形は南米の都市、サンパウロです。
人物関係や勢力図もブラジルを元にしていまして、ストリートチルドレンをめぐる勢力図も大体ここを元にしています。
また、専門用語も出来る限り使わないようにしていたのですが、これは前述の通り以前の作品で超常的な物を扱う際、非常にややこしい説明や描写を書かなければならず、読者に面倒をかける事態になった反動です。
この部分はあくまで舞台装置として出来るだけ簡素にし、話の流れは普通の現代劇と同じにする事にした為、そうなったのです。
自分としてはこれでいいのですが、SF的な風味が薄れたのでこの辺は反省点ともいえそうです。
当初ですとSFらしさを出す為巨大重機やロボットを出す予定でしたが、そんな物を出さなくても成立するSFがあるので、態々出す必要もないだろうと言う事で没としました。
因みに、作中に登場する小型の簡易DNA鑑定機やホログラフィの立体投影装置は試作品ながら実在していまして、自分の目で実物を確認しています。
実際には現実のホログラフィと同じく、鏡面反射で類似的に立体投影する程度の物ですが。
企業の規模、地下都市の詳細など、ディテールは特に考えていなかったのでこの辺は仇になったと思います。
もっと練っていればと思うのですが、作品の構成に関係ない設定は全て切り捨てる方針を取っていたのが裏に出てしまったようです。
片鱗でも残っていればよかったのですが。
最後に。
メタ的なコンセプトとして、250~350枚程度の原稿用紙に収まるよう、計算していました。
このアイディアで書いたのも、数あるアイディアの中からこの枚数でまとまる作品と言う理由からです。
他は極端に長いか、短いかになってしまいますから。
ではなぜ、この枚数なのかと言いますと、小説の新人賞の送る長編の規定がこれくらいだからです。
当時はこんな程度の枚数で収まるのか?と悩み、容量を計算しながら設定を切り捨てる形でプロットをまとめたのを思い出します。
人によっては凄く多い枚数なのですが、書き慣れると大したものではないどころか、頭の中にまとまっている物を吐き出すには少なく感じてしまいます。
アイディアをどう詰め込むかと言う点も至らぬところがあり、また作風もシナリオを描き続けた関係からモノローグを避け、写実的な物だけを書いたために難解になったと思います。
自分の中ではシンプルで普遍的、10年経っても読めるようにしたのですが、やはり表現とキャラクターの行動、個性ではまだ達せずな所があるので未だ途上です。
連載形式を取ったため、語呂や書き癖が統一できず、本当に校正がライブ感覚になってしまいました。
近いうちに出す電子文庫状態版では、ここを直す作業がメインとなると思います。
拙い部分を踏まえ、この項を含めて最後まで読んでくださった全ての方々に感謝を致します。